【2025年9月時点決定版】Premiere Pro 2025でAVCHDが読み込めない?音ズレ・音が出ない問題をffmpegとキャッシュ削除で解決した話

2025年09月12日
📂 カテゴリー: AI・web・アプリ・動画制作
🏷 タグ: AVCHD, MTS, Premiere Pro, 音ズレ

こんにちは、ダンシングポノ制作のニーダです。

これまで何度かこのブログでも、AVCHD形式の動画をPremiere Pro 2025で音ズレ問題があり、その都度解決してきました。

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しかし、2025年9月現在、、、、再び音ズレ問題が。笑い話ではないですが、自分の過去のブログを参考にしながら、いろいろ試しましたが、出来ませんでした(笑)

同じように困っている方の参考になればと、試したことと最終的に解決した方法をまとめます。

🎥 発生した問題

  • SDカードからコピーした PRIVATE フォルダをPremiereのメディアブラウザに読み込んでも、AVCHD が表示されない
  • Finder上では PRIVATE/AVCHD/BDMV/STREAM に .MTS が存在する
  • .MTS 単体を読み込むと 音ズレ や スパン(分割ファイル)の結合不良 が発生

昔のPremiereでは問題なかったのに、2025では挙動が変わったようです。

🔍 考えられる原因

  1. macOSがAVCHDを「パッケージファイル」として扱うため、Premiereが認識できない
  2. Premiere Pro 2025の仕様変更/バグで、AVCHDの自動展開に対応できなくなっている
  3. MTS単体読み込みではメタデータが無視されるため、スパン結合や音声同期が崩れる

🛠 試したこと

1. AVCHDを複製してフォルダ化

Finderで「AVCHDを複製」するとパッケージ属性が外れてフォルダになる。

Premiereで読み込めるようにはなったが、MTS単体扱いのままで音ズレは解消せず。

2. xattrでパッケージ属性を削除

ターミナルで xattr -d com.apple.package を試すも、複製したAVCHDには属性が付いていなかった → 効果なし。

3. Catalyst Browseを試す

Sony純正の無償ツール「Catalyst Browse」を使用。

スパン結合は認識できたが、右側に 「スパンされたクリップのトランスコード不可」 と表示され書き出しできず。

※ 書き出しには有料版 Catalyst Prepare(月額1,870円/初回のみ初月無料) が必要でした。

4. ffmpegで無劣化結合(ターミナル未経験の方へ)

ここからは無料ツール ffmpeg を使います。
「ターミナルなんて触ったことない…」という方のために、基本的な手順を補足しておきます。

🔹 ターミナルの起動方法

macOSの場合

アプリケーション → ユーティリティ → ターミナル から起動

または Spotlight検索(⌘ + スペース)で「ターミナル」と入力 → Enter でも開けます

🔹 ffmpegのインストール方法

もし ffmpeg が入っていない場合は、以下の方法で導入できます。

Homebrewがある場合

brew install ffmpeg
  1. Homebrewがない場合 → Homebrew公式サイト を参考にインストールしてから上記を実行

🔹 作業フォルダへの移動

結合したい .MTS ファイルがあるフォルダへ移動します。

  1. ターミナルで cd と入力(スペースを忘れない!)
  2. Finderからそのフォルダを ドラッグ&ドロップ すると、自動でパスが入力されます
  3. Enterキーを押せば、そのフォルダに移動できます

例:

cd /Volumes/DP_HD/01_ダンシングポノ/インタビュー/miki/assets/20250905

このあと、ファイルリストを作成して ffmpeg コマンドを実行すればOKです

まず、結合したいファイルリストを file_list.txt に作成:

1. 手動で作る方法(簡単・初心者向け)

ターミナルで対象フォルダに移動してから、以下を入力します。

nano file_list.txt

するとターミナルにエディタが開きます。そこに以下のように書きます(ファイル名は実際のMTS名に合わせてください):

file '00001.MTS'
file '00002.MTS'
file '00003.MTS'
file '00004.MTS'

入力したら:

  • Control + O → Enter で保存
  • Control + X で終了

これで file_list.txt が作成されます。

2. echo を使って一発で書く方法(慣れている人向け)

echo "file '00001.MTS'" > file_list.txt
echo "file '00002.MTS'" >> file_list.txt
echo "file '00003.MTS'" >> file_list.txt
echo "file '00004.MTS'" >> file_list.txt

> は新規作成、>> は追記です。

これで同じ内容の file_list.txt ができます。

3. フォルダ内のMTSを自動で全部リスト化する方法(便利技)

もし「STREAMフォルダ内のすべてのMTSを結合したい」なら、このコマンド一発でOKです。

ls *.MTS | sort | sed "s/^/file '/;s/$/'/" > file_list.txt

ls *.MTS → MTSファイル一覧

sed → 先頭に file '、末尾に ' を追加

> → それを file_list.txt に保存

というわけで、上記のいずれかの方法で以下のようにして

file '00001.MTS'
file '00002.MTS'
file '00003.MTS'
file '00004.MTS'

そしてコマンドを実行:

ffmpeg -f concat -safe 0 -i file_list.txt -c:v copy -c:a aac -b:a 256k output_fixed.mov
  • -c:v copy → 映像は無劣化コピー
  • -c:a aac → 音声をAACに変換(QuickTimeやPremiereでも互換性アップ)
  • -b:a 256k → 高音質で安定

結果、QuickTimeでは問題なく再生可能になりました。

⏱️ ffmpegが速い理由

  • 今回は 「コピー」モード だったため数分で処理完了
  • 再エンコードは行っていないのでCPU負荷も軽い
  • 一方、H.264やProResなどに再エンコードすると、動画の長さに近い処理時間がかかります

⚠️ Premiereで「波形は見えるのに音が出ない」問題

QuickTimeでは聞こえるのに、Premiereでは音が出ないことがありました。
原因は Premiereのメディアキャッシュやコンフォームデータの不整合

解決方法

  1. プロジェクト内でクリップを フッテージを置き換え
  2. すべてのプロジェクトを閉じる
  3. [環境設定] → [メディアキャッシュ] → 「すべて削除」
  4. Premiereを再起動

これで再度オーディオが正しくコンフォームされ、Premiereでも音声が再生できるようになりました!


✅ 結論

  • Premiere Pro 2025はAVCHDをうまく扱えないケースがある
  • Catalyst Browseは確認には便利だが、書き出しは有料版のCatalyst Prepareが必要
  • 無料で確実に解決するなら ffmpegで結合+AAC変換 が最適
  • さらにPremiereで音が出ない場合は メディアキャッシュ削除+再起動 を忘れずに

💡 長年AVCHDを扱ってきましたが、Premiereのバージョンごとに挙動が変わるのは盲点でした。
同じように「AVCHDを読み込んだら音ズレ/音が出ない」という方は、ぜひ ffmpeg+キャッシュ削除 を試してみてください!


ニイダのプロフィール写真
       

この記事を書いた人|ニーダ

Dancing Pono(ダンシングポノ)の運営者。1998年にサルサに出会うのをきっかけにラテンのペアダンスを日本に拡めるよう活動中。ダンススタジオ運営やイベント企画・運用のかたわら、AIやweb・アプリ開発、動画編集、ラテンDJ、バーテンダーと多岐に渡る活動中。

2021年1月末にくも膜下出血で倒れるも奇跡的に後遺症もなく復帰。現在は人生のボーナスステージとして過ごしています。リハビリとしてはじめた太極拳、ロードバイクを趣味としています。太極拳では近所のおじいちゃん、おばあちゃんと健康のための太極拳、ロードバイクでは「極力体力を使わないでどこまで行けるか」の実験で、東京(荒川河口)-新潟(柏崎)を22時間などやったりしてます。

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