🎛️ ミキサーの右から音が出ない!?現場で起きたトラブルと学び

2025年06月23日

前回の記事でお伝えした「DJ2チャンネルの右から音が出ない問題」、今回はその原因と、そこから広がった話について深掘りしていきます。
👉 前回の記事はこちら

先日、六本木スタジオでミキサーが、あるチャンネル(DJ2とします)だけ右から音が出ないというトラブルが発生しました。


🔍 症状:DJ2チャンネル(7/8)で「右だけ音が出ない」

  • PANはセンター
  • 入力はステレオRCA(L/Rともに正常)
  • PFL(プリフェーダーリッスン)では左右ともに音が確認できる
  • しかし、マスター出力では左のみ反応、右が完全に無音
  • 他のチャンネルでは問題なくステレオ出力される

🧪 切り分けと原因の特定

ケーブルを変えても、音源を変えても、症状は変わらず。
ミキサー内部の問題であることが確定しました。

さらに、「マスターフェーダー上のセレクトボタンを押してレベルを確認したところ、Lしか動いていない」ことが判明。つまり…

✅ DJ2チャンネルの右(R)信号が、マスターバスへ到達していない


🛠️ 想定される原因

  • チャンネル基板のハンダ浮き・断線
  • R信号ラインの回路トラブル
  • マスターバスとの接点不良や接続ピンの接触不良

つまり、「信号は入ってきているけど、右だけが“出ていけない”状態」でした。


✅ 教訓:音響トラブルは順を追って切り分ける

今回のような症状は、見た目だけでは判断できません。

  • PFLでL/Rが出ているか?
  • 他チャンネルでは正常か?
  • ケーブル・音源を入れ替えたか?

というように一つずつ丁寧に切り分けることで、原因を特定できます。


💥 電源ON/OFF時の「ブチっ音」について

チェックの過程で、プロのMさんが「スピーカー繋いだまま電源を切ってブチブチ鳴らす」という動作をしていました。

一見するとタブーのように見えるこれ、でもまもるさん曰く、

「ええねん、荒療治も必要や」

もちろんこれは、プロの経験とリスク管理のうえでやっている行為

🔌 一般的な電源操作の順番(セオリー)

  • 電源ON:スピーカーは最後に入れる
  • 電源OFF:スピーカーは最初に切る

この順序を守ることで、「ブチっ音(ポップノイズ)」によるスピーカーへの負担を避けられます
まもるさんのようなやり方は「プロの荒業」として参考にはなるけど、初心者はマネしないほうが吉です。


🎚️ DJミキサーにおける「ゲイン」と「ボリューム」の話

今回の件から派生して、思い出したのは「ゲインとボリュームの違いと、その正しい使い方」です。意外とDJの現場でこれらがあいまになっていること多いのです。

✅ ゲインとは?

→ 音を「入れる量」(入力レベル)

✅ ボリュームとは?

→ 音を「出す量」(出力レベル)


僕の設定方法(推奨)

  • ゲインはPFLで0〜+3dBに調整
  • チャンネルフェーダーは0(ユニティ)を基準に使用
  • 細かい音量調整はDJコントローラー側で行う

これはもっとも音質が安定し、音割れやノイズの少ない運用方法です。


❌ よくあるNGパターン

  • フェーダーを絞ったままゲインだけで音量を稼ぐ
    → 音が割れる・バランス崩壊・スピーカーの破損リスク

🧠 まとめ

今回の経験を通じて、あらためて感じたのは:

  • 音響機器は一つの動作が他に大きく影響するということ
  • 不具合は一歩ずつ切り分けて調べる姿勢が大事
  • 音の「入り口(ゲイン)」と「出口(ボリューム)」を意識するだけで、現場の音質は大きく改善する

音響って、実はとても繊細で論理的なんですね。


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この記事を書いた人|ニーダ

Dancing Pono(ダンシングポノ)の運営者。1998年にサルサに出会うのをきっかけにラテンのペアダンスを日本に拡めるよう活動中。ダンススタジオ運営やイベント企画・運用のかたわら、AIやweb・アプリ開発、動画編集、ラテンDJ、バーテンダーと多岐に渡る活動中。

2021年1月末にくも膜下出血で倒れるも奇跡的に後遺症もなく復帰。現在は人生のボーナスステージとして過ごしています。リハビリとしてはじめた太極拳、ロードバイクを趣味としています。太極拳では近所のおじいちゃん、おばあちゃんと健康のための太極拳、ロードバイクでは「極力体力を使わないでどこまで行けるか」の実験で、東京(荒川河口)-新潟(柏崎)を22時間などやったりしてます。

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📂 カテゴリー: ラテンDJ
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