ミキサーの右から音が出ない!?現場で起きたトラブルと学び
前回の記事でお伝えした「DJ2チャンネルの右から音が出ない問題」、今回はその原因と、そこから広がった話について深掘りしていきます。 前回の記事はこちら
先日、六本木スタジオでミキサーが、あるチャンネル(DJ2とします)だけ右から音が出ないというトラブルが発生しました。
症状:DJ2チャンネル(7/8)で「右だけ音が出ない」
- PANはセンター
- 入力はステレオRCA(L/Rともに正常)
- PFL(プリフェーダーリッスン)では左右ともに音が確認できる
- しかし、マスター出力では左のみ反応、右が完全に無音
- 他のチャンネルでは問題なくステレオ出力される
切り分けと原因の特定
ケーブルを変えても、音源を変えても、症状は変わらず。
ミキサー内部の問題であることが確定しました。
さらに、「マスターフェーダー上のセレクトボタンを押してレベルを確認したところ、Lしか動いていない」ことが判明。つまり…
DJ2チャンネルの右(R)信号が、マスターバスへ到達していない
想定される原因
- チャンネル基板のハンダ浮き・断線
- R信号ラインの回路トラブル
- マスターバスとの接点不良や接続ピンの接触不良
つまり、「信号は入ってきているけど、右だけが“出ていけない”状態」でした。
教訓:音響トラブルは順を追って切り分ける
今回のような症状は、見た目だけでは判断できません。
- PFLでL/Rが出ているか?
- 他チャンネルでは正常か?
- ケーブル・音源を入れ替えたか?
というように一つずつ丁寧に切り分けることで、原因を特定できます。
電源ON/OFF時の「ブチっ音」について
チェックの過程で、プロのMさんが「スピーカー繋いだまま電源を切ってブチブチ鳴らす」という動作をしていました。
一見するとタブーのように見えるこれ、でもまもるさん曰く、
「ええねん、荒療治も必要や」
もちろんこれは、プロの経験とリスク管理のうえでやっている行為。
一般的な電源操作の順番(セオリー)
- 電源ON:スピーカーは最後に入れる
- 電源OFF:スピーカーは最初に切る
この順序を守ることで、「ブチっ音(ポップノイズ)」によるスピーカーへの負担を避けられます。
まもるさんのようなやり方は「プロの荒業」として参考にはなるけど、初心者はマネしないほうが吉です。
DJミキサーにおける「ゲイン」と「ボリューム」の話
今回の件から派生して、思い出したのは「ゲインとボリュームの違いと、その正しい使い方」です。意外とDJの現場でこれらがあいまになっていること多いのです。
ゲインとは?
→ 音を「入れる量」(入力レベル)
ボリュームとは?
→ 音を「出す量」(出力レベル)
僕の設定方法(推奨)
- ゲインはPFLで0〜+3dBに調整
- チャンネルフェーダーは0(ユニティ)を基準に使用
- 細かい音量調整はDJコントローラー側で行う
これはもっとも音質が安定し、音割れやノイズの少ない運用方法です。
よくあるNGパターン
- フェーダーを絞ったままゲインだけで音量を稼ぐ
→ 音が割れる・バランス崩壊・スピーカーの破損リスク
まとめ
今回の経験を通じて、あらためて感じたのは:
- 音響機器は一つの動作が他に大きく影響するということ
- 不具合は一歩ずつ切り分けて調べる姿勢が大事
- 音の「入り口(ゲイン)」と「出口(ボリューム)」を意識するだけで、現場の音質は大きく改善する
音響って、実はとても繊細で論理的なんですね。
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