【身体から思索へ】「手の形」が変える思考と身体の不思議な関係

1. はじめに
たった「手の形」を変えるだけで、思考や身体の状態に変化が起きる――
そんな一見不思議な現象に、最近とても興味を持っています。
身体操作では根本というより枝葉末節かもしれませんが興味深いのでシェア。
きっかけは、YouTubeで見た動画でした。
2. YouTube動画で知った「イコンの手」の効果
僕が見たのは「システマ東京チャンネル」のこの動画。
紹介されていたのは、「イコンの手」という特殊な指の形をすると、物理的に強くなるという話です。
この手の形、もともとはキリスト教のイコン(聖画)に描かれる祝福の手。
動画では、物理的に安定する・力まない・崩れないといった身体的な変化が起きているのが実際に見て取れました。
たしか、物理学者の保江邦夫さんも1年ほど前に、この話を紹介していました。今回は検証回でした。
その後はこちら
3. システマとは何か?
そもそもシステマとは、ロシア発の武術・哲学体系です。
単なる戦闘術ではなく、呼吸・姿勢・リラックス・動き続けるという4原則を大切にする、心身統合のメソッド。
この4原則は、ペアダンスや太極拳、ヨガにも共通する考え方です。
- Keep breathing(呼吸)
- Keep relax(リラックス)
- Keep back straight(姿勢)
- Keep moving(動き続ける)
4. 柳生心眼流「竜の口」との共通性
この「手の形」で思い出したのが、僕が習っていた柳生心眼流の構え「竜の口」。
手のひらをややすぼめて、中心に力が集まり、余計な力みが消える構え。
これはまさに、イコンの手やヨガのムドラーと同じ「意識を内に向ける形」だと思いました。
5. ヨガのムドラーとの比較
ヨガにも「ムドラー」という手の形があります。
たとえば**プリティヴィ・ムドラー(Prithivi Mudra)**では、親指と薬指を合わせて「地のエネルギー・安定・安心」を引き出します。
イコンの手も、親指と薬指の接触が共通しています。
6. 気功・太極拳・合気柔術とのつながり
太極拳の「勾手(こうしゅ)」という手の形も、気を集めるために丸く保ちます。
また、合気柔術では「茶巾絞り」という構えがあり、中指や薬指に意識を集める点が共通しています。
どれも、「力まず」「整える」ことが目的。
手の形によって内的状態を調整しているのが興味深いです。
7. 広隆寺・弥勒菩薩の手の形
さらに思い出したのが、広隆寺の弥勒菩薩像。
通常は「思惟印」とされますが、よく見ると親指と中指(もしくは薬指)が触れているような微細な形。
しかも、指が頬にベタっと当たっておらず、空間があるのも特徴です。
まるで、手の中に意識や空気が宿っているような印象を受けます。
8. イコンの手を再確認
イコンに描かれる「親指と薬指を合わせた手」。
これは、精神的集中・安定感・象徴性の象徴として、長く使われてきた形です。
宗教や文化を越えて、身体が自然と求める形なのかもしれません。
9. 脳科学的に見た「親指と薬指」の接触効果
脳科学的にも、**指先と大脳皮質(運動野・感覚野)**は深く関わっています。
- 親指:意志・制御の象徴
- 薬指:安定・落ち着きの象徴
この2本を合わせることで、副交感神経が優位になり、リラックス+記憶のアクセスがしやすくなります(DMN:デフォルトモードネットワーク)。
つまり、「考える」「ひらめく」「思い出す」状態が作られるのです。
10. 宗教・武術・身体知を超える共通点
宗教、武術、気功、ヨガ…
まったく異なる文化圏でも、「手の形」に内的な作用があるという発見があります。
これはもしかすると、人類共通の身体感覚=身体知が文化を越えて現れている証拠かもしれません。
11. おわりに
「たかが手の形」と思うかもしれません。
でも、そこには身体から思索への扉があるように感じます。
これからも、体感を起点にした思索=**“身体から入る哲学”**を大切にしていきたいと思います。
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